クラッチは対応出力に収まっていれば良い、わけでもないという話と今週の作業


先日、シバGR86でモビリティリゾートもてぎを走行しました。

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現在、車両は清掃と各部点検を済ませ、次回に向けた走行準備を行っていますが、このタイミングでパーツ交換を行いたいと思います。内容としては前回のブログでも触れていますが・・・

クラッチの交換です!純正からATSカーボンシングルクラッチへ変更します。

シングルクラッチを選択した理由としては、出力的に過給したり排気量アップしたりなどの予定は当面ないので、出力的に十分足りるだろうというものです。吸排気系の変更(全てAPEXi製)はしていますが、ECUは純正のままです。

いわゆるライトチューンという状態ですが、この場合は必要以上に大きな出力に対応したクラッチを入れてしまうと、クラッチ本体も重くなるのでデメリットの方が多いですからね…。なるべく軽い方が良いです。

ただ!

ちょっと余談になりますけど、今のところは安易におすすめできません。というのも苦い経験がありまして…。

以前の話ですが、マーFDでは、600PS対応シングルクラッチと表記された商品で、鬼シフトでクラッチが滑ってあえなく瞬殺…。(到底そんな出力は出ていない仕様でした)こちらは仕方なくツインプレートクラッチへ変更。

さらに、遡ると、以前の白いデモカーFDでは、ツインプレートで使用し、こちらも同じくギアチェンジ時にクラッチが瞬殺で滑り、トリプルプレートへ変更しました。

クラッチは回転物なので軽い方がいいわけですが、商品対応出力だけでは、必ずしもその取り付ける車両や仕様に対応しているとは限りません。最終的にはその車両やスペックにそのクラッチが合っているかは実際に自分の運転で確認作業を行わないとわからない、というのが正直な経験則です。

必要以上の容量はいらないとはいえ、そこを攻めすぎるのは難しく感じています。

というわけで、不安と期待を抱えながら、今回のクラッチ交換と次回の走行に向けた準備を行っています。次回の走行調整は済んでますので、結果はまたご報告できればと思います。まぁ、これをやるのがデモカーの役目でもありますから、お楽しみに!

さて、では直近のサカモトエンジニアリングの工場の様子です。

まずはFD3S RX-7の入庫。走行会シーズンに向けて、タイヤの新調のご依頼をいただきました!

以前もシバタイヤで、R23 280コンパウンドを使用していました。今回、200Rにしようと悩まれていたようですが、おすすめは?ということで、「R31 280R」のご選択となりました。なぜ、280Rなのか・・・は、こちらを参照ください。

続いて、シビック FL5の入庫です。

サーキット走行に向け、ステアリングの交換とブレーキ周りのアップデートのご依頼です。

ステアリングはSPOON製の「BOSS SWITCH BRACKET SET」を使用して、純正ステアリングに取り付けられているスイッチ類をそのままボス付近に移植。

そしてステアリング本体はオーナー様がこの日のために持っていたフルカーボンタイプを取り付けし完了です!ビシッと引き締まりました!道中の運転も楽しそうですねw

続いてブレーキ系では、パッドの交換と油脂類の交換を行います。パッドの摩材は、各デモカーで使用しているLUVIX製の「サカモトエンジニアリング ルービックスブレーキパッド」ご選択です。こちらの摩材の特徴は止めることだけでなく、ブレーキリリース時のコントロールもしやすい特性となっています。

そのためブレーキペダルの操作がリニアにできることはもちろんのこと、もてぎ、日光、富士とコースを問わず使えて、車種も問わない万能な摩材となっているので非常におすすめです。

FL5型のシビックの作業に関しては、電子制御がたくさんあるため、作業後は念のために試乗を行い、エラーが出ていないことを確認して完了となりました。ご依頼ありがとうございました!

次、現在進行中ですがJZA80スープラのご紹介。

以前のアップデートでエンジン出力が上がったことにより、国際サーキット(主にもてぎロードコース)での走行時に熱対策が追い付かない状況となりました。真冬に走れば何とかなるレベルかと思いますが、もう少し、余力を持つべきというご相談となりました。

本来であれば、バンパーやボンネットといった開口部の拡張や熱の抜き対策が必要にはなりますが、オーナー様のご要望もあって、出来る限り「純正の出で立ちのまま」冷却系を強化することになりました。割と簡単そうに聞こえますが、このエンジン出力で国際サーキットを全力で走るとなると、その両立は相当難しい内容にもなります…。

最終的にはオーナー様と十二分に相談を行い、効果云々よりもまずは効果がありそうなものから順次やってみるということで、メニュー立てをしました。

現在は冷却ファンの電動化、オイルクーラーの見直し&追加、パワステクーラーの見直し&追加、各冷却系へ導く導風板の作成など、もりもりですがそれらに伴い、パイピング取り回し変更やバッテリー搭載位置変更なども予定されています。進行具合によって、別途お知らせできればと思いますので、もうしばらくお待ちください。

さて、たくさんのご依頼作業をいただきありがたい限りですが、車両開発の面でまずは走ってみたいところもありますので、走行テストも行ってきたいと思います。結果についてはまたブログにてご報告させていただきます!

引続き、よろしくお願いします。

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書いた人

サカモトエンジニアリングの代表です。
チューニングも走ることも好きで、週1はサーキットに行きたいと常に思っていますw