ディレッツァZ3とシバタイヤを筑波サーキット(TC2000)で比較テスト。GR86にマッチしたのは…

春本番につき、各コースでのタイム出しは終了となりましたが、デモカーは引き続き走っていますw

というわけで今回はタイヤ比較のテスト。今シーズンはADVAN A052とシバタイヤの2銘柄でセット出しやタイムアタックなどをやってきたわけですが。。。

ライトチューンレベルのGR86のセットアップとしては、ブレーキや足回りなどを含めて現在は一つの完成系だと思っています。

ただ、「もっとここで曲がってくれるといいな」というのは尽きないモノ。タイヤ比較の中でそういった次につながるものが見えてこないかなーとも思うので、その辺も加味してテストしてみました。

ADVAN A052とシバタイヤで走ってきた総括

ADVAN A052はそれまでよく履いていたADVAN A050(Sタイヤ/セミスリック)のG/Sコンパウンドと比べ、縦は遜色ないものの、横方向のグリップが劣る感じです。

履いた当初は市販ラジアルとしては良くまとまっているなーと思ったものの、欲は出てくるものでw

ADVAN A050 G/Sを履いていた時みたいに、ラジアルタイヤでもグイーっと気持ちよく、自由自在に車を曲げたいなーと考えるようになりました。

と同時に、ADVAN系タイヤが昨年から数回の値上げもあって「若い子はタイヤ買えなくて走れなくなるのでは?」ということもあり、手っ取り早くメーカーに在庫がいっぱいあって価格が安価なシバタイヤでの走行もスタート。

シバタイヤを履いてきた中で感じることは「縦はものすごく良い」という点。その部分だけ見ると、ADVAN A052と全く遜色ないです。

が、横方向がもっとあったらいいな・もしくはもっと曲がるようなセットになるといいなというのがより如実に。

縦方向は、ADVAN A050もA052もシバタイヤ(TW200)もそこまで大きな差ありません。けど横方向に関しては、

ADVAN A050 >> ADVAN A052 >>>シバタイヤ(TW200)

くらいなイメージになります。

なのでシバタイヤで旋回できるセットが出せれば、ADVAN A052でもストレスフリーに走れるのでは??と思うようになりました。特性が似てるところがある気がするんですよね…

比較で用意したタイヤはシバタイヤとダンロップディレッツァZ3

というわけで前置きが長くなりましたがテストです。これから場合によってはセットを大きく変えていくんですが、その前の最終確認。

結局のところ、グリップ走行でサーキットを走ることを極めていくと、いかに効率よくタイヤを使うかになります。(乗り方しかり、セッティングしかり)

更に言うと、そのタイヤ銘柄での乗り方やセッティングというのを変えていく必要があります。(ある程度の域ならば変えなくても何とかなりますが)

そのため、これからの方向性が間違ってないよね?のを再確認するためには、全く縁のないタイヤを履くのも有効な手段だと思っています。

というわけでダンロップ ディレッツァZ3を用意しました。

なぜディレッツァ Z3?っていう話ですが、シバタイヤ履き出してからお客さんに「シバタイヤってZ3と比べてどうですか?」ってよく聞かれたんです。比較対象なんですかね…

ダンロップのディレッツァシリーズを履いたのはもう何年前だ?Z1か??くらい記憶にありません。なんか縁が無かったものでw

尚、今回使うタイヤサイズはトレッドの形状的に入る・入らない問題があると嫌なので、絶対に入る無難な245/40R17で統一。ディレッツァZ3の購入金額はシバタイヤの1.5倍、ADVAN A052の2/3程度とちょうど中間に位置するタイヤです。

比較テストをするのは筑波サーキットのコース2000。新品状態で持っていきました。(シバタイヤは自走)

まずはシバタイヤから走行スタート

当日は基準タイム出しというのもあって、シバタイヤ TW200(245/40R17)から走行スタート。スポ走のE枠にて行いました。

車両側は今回、ダンパーセットなどを含めて変更はなし(F8/R8)。

経験上、外径違いのテストをしたくてシバタイヤで255/40R17と245/40R17を筑波で履いてきたことはありますが、シバタイヤに関しては255/40R17の方がマッチしている気はします。シーズン中は3秒台中盤で走れていました。

もともと横が足りていない印象があるシバタイヤですが、それを255と幅広にすることである程度緩和出来ているんだと思います。

で、今日はっていうと春らしい陽気の中でベストは1分5秒107。連続周回は5秒中盤といったところ。

やっぱり筑波だと255/40R17の方がマッチしてそうですね~。245幅だとタイヤをいたわらないと連続周回も気を遣う感じです。履けるなら幅広やエアボリューム拡大は正義って事かw

まぁでも、今日は245縛りなので今日はこれを基準に。果たしてディレッツァZ3はどうか。。。

新品のディレッツァZ3でコースイン

というわけで、ダンロップのディレッツァZ3に履き替えます。サイズは前述の通り無難な245/40R17。

タイヤの実寸法ですが、ADVAN A052のように245幅と言っているけど実は・・・みたいなことはディレッツァZ3もなく、この幅と形状なら255/40R17も問題なくGR86に入りそうですね。

比較で置いているのは1ヒート走ってきたシバタイヤ(245/40R17)です。

尚、事前情報でディレッツァ系はエアボリューム高め(人によっては3キロ近く)で使う方が良いという意見も多いですが、まずは温感で1.8キロ狙いでスタートします。(シバタイヤもそれで走らせています)

で、コースインしてまだ温まってない1コーナー。

あっ、横ある!舵に対して、タイヤが反応する!Sタイヤを履いていた時のようなフィーリングがありました。(絶対的な速度は低いですが)

これだよ!ADVAN A052でもシバタイヤでもこれくらい曲がってくれる感じが欲しかったんだよと、思わずヘルメット越しにニヤけてしまいましたw

その後の計測ラップでも横方向の好感触は健在。ストレスなくライントレースしていってくれました。

なんですが、そこから計測後にピットに戻ったらエアが酷使される左前以外は下がってました。表面も常温・・・。エア張らないとっていうのはその通りのようですね。

最終的にベストタイムは1分4秒908。連続周回もしていてタイム的には5秒台前半で安定していました。

タイム的にはシバタイヤと比べた場合、ベスト・連続周回ともに0.1-0.4秒くらい違うイメージですが、適正エアで走れたらまた違っていたかもしれません。

が、走らせているフィーリングはADVAN A052やシバタイヤと比べても一番楽しかったw
(タイムが出るのはグリップレベルが全然違うのでADVAN A052ですけど)

こうしてみると、ADVAN A052とシバタイヤはともに横方向が足りないタイヤだったんだなーと再確認。セットの方向性で迷っていた部分は、タイヤをスイッチすれば解決しそうです。

けどね・・・、というわけで総括ですw

ディレッツァ Z3。フィーリングは良かったけど…

というわけで、ディレッツァZ3は走らせているフィーリングはこれまで使ってきたタイヤの中で一番良かったです。ブレーキも旋回も全くストレスなし。レースで使うならこの脚周りのセットでディレッツァZ3を使うのが良いんでしょうね~。

ただ、「もっと曲がる車にして楽しくタイム出せるようにしよう!」と考えていく中ではディレッツァZ3を履き続けていてもしょうがないわけで。。。

フィーリングは良くてもグリップレベルがADVAN A052とディレッツァZ3では差がありますし、タイムを狙うならADVAN A052を使います。

ただADVAN A052を使うともっと曲がる車にしないとダメっていうのは変わらない。フィーリングだけでいうならディレッツァZ3を履けば解決・・・。

結局のところはADVAN A052とシバタイヤは特性が似ている気がします。ともに縦が強いけど横弱めっていう(それらもグリップレベルが違いますが)。

それらとは別の位置にいるのがディレッツァZ3。縦も横もいいバランスなので、たぶん車のセットや乗り方を含めて万人受けするとは思います。

で、ここからはデモカーGR86の話。

もっと上の領域を目指そうと思うと、たとえ練習用としてもディレッツァZ3で走り込んでいくと、冬場にADVAN A052でタイムを出せるようになるか?というと間違いなくそれじゃダメ。

フィーリング的に満足できてしまうと、セットも走らせ方も現状からなにも進まなくなります。結果的にBUNZOUさんに負ける未来しか見えませんw

もっと車や走らせ方としてブレーキ~クリップまででタイヤに優しく素直にライントレースできるようにならないと先には行けません。

というわけで、ディレッツァZ3を履いて確認したかったことが見えたのでこれはこれで満足。ADVAN A052でタイムを出せるようにもっと素直に曲がっていけようなセットを模索していこうと思います。

方向性や変更パーツなどはある程度目星がついているので、これからそれらをやっていきます。


ちなみに、結局のところはADVAN A052・シバタイヤ・ディレッツァZ3のどれがおすすめ?と聞かれると…

  • 街乗り~サーキットで最高のラジアルタイヤ、ADVAN A052
  • 乗ってて楽しいよく曲がる万人受けするタイヤ、ディレッツァZ3
  • 安くていっぱい走れる高コスパタイヤ、シバタイヤ(コンパウンドはお好みで)

という感じです。金額的にはシバタイヤが一番安いですし、コンパウンドも選べます。(今回使ったのは一番柔らかいコンパウンド:TW200)

もちろん、マッチするタイヤはタイヤサイズや車、ドライバーの癖や乗り方で変わってくるので、まずは履いてみるのが一番だと思います。

サイズにもよりますが、金額的にはADVAN A052を1セット買うお金でディレッツァZ3なら1.5セット、シバタイヤなら2セット以上買えるっていうくらい差はあります。

ちなみにデモカーGR86はまたしばらくシバタイヤ(255/40R17 TW200)で走る予定です。それでタイヤに負担をかけずにより曲がるセットや走らせ方などを練習しながら模索していこうと思います。

そうすれば、グリップレベルが圧倒的に高くて横方向に掛けるADVAN A052でもタイムが出せる車両になるはずなのでw

そして他にも開発がスタートしたパーツや、まだ公表はできないアイテムのアレコレもありますので、それらも含めてまだまだ走りまーす!

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書いた人

サカモトエンジニアリングの代表です。
チューニングも走ることも好きで、週1はサーキットに行きたいと常に思っていますw