久しぶりに日光サーキットに来ました!当日(7/22)はスポーツ走行日です。
今回来た目的としては、仕様変更を行ったシバGR86のチェック&セットアップに加え、エンジンを新組したお客様のFD3S RX-7の初期慣らしを行います。

最高気温35度という猛暑ですが、シバGR86は僕とマーで1ヒート内でドライバー交換しながらセットアップの方向性などを探りたいと思います。
慣らし走行を行うFD3S RX-7は、後半枠の走行枠でほかの車両の邪魔にならないように周回しながらエンジンの当たり付けを行う予定です。
同じ車両を2人で乗るとなると、兄弟の負けず嫌い戦?という話が出ますがw
(当日サーキットに来られてた方にも言われましたが)車両のインフォメーションが一致するかを重要視しています。
まずはオリジナルパッドの供給(納期)の関係で変更となったシバキャリパー→純正キャリパーの初期セットアップから進めます。今回は新品のローターとパッドの当たり付けを走行序盤に行い、制動が十分に確認できてから計測に入ります。
ビッグブレーキ→純正ブレーキとなった場合の利点をあげるとすれば軽量化。バネ下重量が軽くなるので足回りの特性が大きく変わります。そのおかげで、セットアップに関してはまた1からやらないと行けなくなります。

シバGR86についているサスペンションは、A’PEXi N1ダンパーベースのサカモトエンジニアリングオリジナルスペック。当日はまず減衰を「F:6、R:5」からスタートします。
タイヤはシバタイヤR31 200R 255/40R17の中古です。タイヤ状況としては廃棄寸前の状態ですが、一日これを通して走行します。

では早速、ブレーキの当たり付けを行い、タイム計測してきました。
1本目9:00~:40秒701
遅っ!タイヤの状況や気温、路温、路面を考慮しても遅い!!そして、すごく乗り辛い。正直、39秒台はイメージしてたので…がっくし。
今回の仕様では、「U字を描きながらボトムスピードを上げる」イメージでのセットアップが必須です。
ですが今のセット(ビッグキャリパー時)だと、ライントレースがうまくできません。加えて、ブレーキリリース後の荷重配分も良くありません。追い打ちを掛けるようにファイナル比のギアが合わず、ちぐはぐな走りになってしまいました。とにかく曲がらない。
結論としては、ブレーキシステムを変更したことで全体のバランスが大きくずれたのが一目瞭然でした。兄弟共に四苦八苦しながら走行をしますが、このセットでは、どう乗ってもタイムもフィーリングも良くなりませんでした。
今回の変更は失敗!と率直に思ったのが正直なところです。もう帰るかって言葉も出ました。

けど、
- ボトムが遅いのがそもそもの原因でタイムが出ない?
- 今後を見据えた仕様(イメージ)では、この仕様を活かせるように足回りのセットを変える?
- この仕様の良い点を伸ばせれば、今までよりも速い車両にできる?
色々と悩んだ結果、結局のところ触ってみなくてはわかりませんし、NGな結論付けるにはまだ早い。
そもそも夏ですし、今色々試すべきでは?と協議した結果、当日はどんどん暑くなっていく状況ですが(すでに相当暑い)、一旦、今までの概念を捨て、一からセッティングをやり直してみることにしました。
ダメだったら戻せば良いしということで心機一転、スタートしました!(もちろん良い方向のセットがあったとしても、気温や路温のせいでタイムダウンする場合があるので、そこの判断は慎重に)
まずは1本目のフィーリングから、一気にリア車高調整3ターン上げ。(持ち込みセットが大外れしているので大胆に変更していきます)

2本目10:00~:40秒648 (更新)
フィーリング、タイムも良い方向に行きました。方向性を確認するために、更にリア車高調整3ターン上げ!

こちらもフィーリング、タイム共に良い方向へ。
3本目11:00~:40秒450 (更新)
どこまで車高変えるの?って心配になりますが、行き着くとこまで行ってから戻ることにしました。更にリア車高調整3ターン上げを2回行い、計6ターン。(この時点で合計12ターン上げ)大幅な車高変更を行っているので、現状のリアのアライメントを確認。


加えて、フロントアライメント変更。
4本目13:00~:40秒476
タイム更新はしなかったものの、フィーリングは明らかに良い。ということで、更にフロントアライメント変更。(この時点で15㎜変更)

今日イチのフィーリング。
5本目14:00~:39秒963 (当日ベスト更新)

ぎりぎり39秒台に入ってとりあえずホッとしました!タイヤも路面も条件は悪化していく中、約0.8秒更新。上出来ですかね…。
6本目:15時〜からの走行枠でさらにタイム更新!の欲はありましたが、一旦ここで走行&調整を終了しました。
ここから先は状態の良いタイヤへ変えての確認や、他サーキットでどうかの判断も必要です。そして、この時点でリアのキャンバー角が足りなくなりました。偏芯タイプのアッパーマウントブッシュに交換する予定のため、また変更後に改めることにします。

ともあれ、あそこでNGの判断をしてれば、何も身に付かなかった。兄弟揃って改めて、変更→試乗→確認の流れで、みるみる変わる車の動きを体感しました。答え合わせまでを共有できているのはすごく大きい事だと思います。
結果としては、25㎜程度の車高変更と15㎜程度のアライメント変更を行いました。 現地ではメジャーで測定したため、工場で再度計測を行い、次に繋げていきたいと思います。
そしてこの走行やセットアップの一方ではFD3S RX-7の初期慣らしも順調に進み、必要最低限の距離を稼ぐことができました。こちらも工場に持ち帰って各部のチェック等を行い、いよいよ車検取得に向けての作業を進めます。引き続き、よろしくお願いします!