2024年11月04日(月・祝)にスポーツランドSUGOにて開催となる「Attack Tohoku 2024 Autumn」。本来イベントは、サカモトエンジニアリングとしてデモカーを走らせるわけですが、今回は・・・
マーのFD3S RX-7にて参戦。実はこの車両、内情をお話しすると所有はあくまでマー自身でして、半分会社・半分個人所有的な中途半端な立ち位置ではありました。
とはいえ、シバタイヤのラジアルタイヤ開発ではとても重宝しましたし、今後は?きちんと会社の看板を背負い、なおかつパーツ開発の一端を担ってもらうことになりました。まぁ、外から見る分には何も変わらないかもしれませんがww
その中で参戦するAttack東北は初めてのイベントとなりますが、今回はマーが乗るわけではなく、監督というかエンジニア側を担当してもらい、僕はあくまで雇われたドライバーとして粛々と仕事をしていきます。(いざというときは会社の代表は僕なので責任者ですがw)
人を育てるのは環境ですからね。そういう中で当日までにやるべきこと、具体的にはエンジンセッティングや足回りのセットアップ、それらのテストの日程調整、当日のタイヤやウォームアップの段取りなどを今、監督としてマーが担当しています。がんばれ!w
前置きが長くなりましたが、その流れでのテスト走行も9月末に実施。車両の確認をSUGOで済ませて、さてこれからどうするか、というところでした。(その時の模様はこちら)
当日感じたこととしては以下の2点。Attack東北までになんとかしようということになっていました。
- エンジンパワーが欲しい。耐久仕様はひと段落につきモアパワー!
- 足回り(ダンパー)のヘタリがすごい。もっとメカニカルグリップを!
エンジンについてはマーがサイドポート仕様を作ったのでそれを実装し、現車セッティングしていきます。
で、足回りはというと、FD3S RX-7に付いていたダンパー(ビルシュタイン)のオーバーホールも考えましたが・・・
GR86&86でもお世話になっているアペックスさんに相談。APEXi N1 DAMPERを使いたいんだけどと相談した結果、テスト日までに間に合わせてくれるという開発陣の神対応もあり、潔くダンパーをチェンジ!
(快く対応してくださりアペックスの皆様には本当に感謝です)
とはいえ、残り約半月。看板を背負う以上、結果を残さねばならないイベント当日までの走行の機会は最大でも2回。オーダー仕様のダンパーには不安もありますが、マー監督wからは僕の好きなように足回りをセットして構わないと言うことで密かに燃えていましたw
(こういう追い込まれ具合は嫌いじゃ無いです)
というわでけでスケジュール通りにダンパーが届き、交換です。
- APEXi N1 EVOLUTIN DAMPER(特注仕様)
- スプリングは欲しいレートがアペックス純正では間に合わなかったのでHALを使用(前後とも既存の高反発24K)
ダンパー本体は変更となりましたが、使用しているスプリングはレートを含めてこれまでと全く一緒。未知数なセットにするのも難なので、今回は同じ車高バランス・使用実績あるタイヤでまずはテストに持ち込むことにしました。
そんなわけで10月19日にSUGOへ行ってきました!ハウマッチ走行会にて新ダンパーの確認&セッティングを行います。タイヤは前述の理由で前回と同じモノ(シバタイヤR31 200R 295/30R18)を使用します。
今回のハウマッチは通常の1日走り放題ではなく、2輪と4輪の走行会も入っており、ハウマッチ枠は1時間を計3本となります。少ないw
そして当日は曇り予報。空は晴天で最高気温27度前後と高い状況ですが、前夜?に降った雨で路面は若干濡れていますが乾くでしょう。予報では午後に雨が降る可能性があるのが懸念…。
N1ダンパーの初走行は・・・
走行枠が来たら早速コースインです。ダンパーの減衰は前後共に4(MAXが0、25段階調整式)でスタートです。
ドキドキの最初のインフォメーションですが・・・
最初から好きになっちゃいました!びっくりwww
棒みたいな足でもなく、緩々でもありません。しっかり吸収し、かつ、伸びストロークが確保されています。テンダーやヘルパーは使用していませんが、高レートなスプリングに対して減衰がスムーズに立ち上がり、無駄がなくて良いフィーリングと動きです。
GR86ではこのダンパーをたくさんテストしてきましたが、FD3Sとでは足回りの構造が根本的に違います。それゆえにステアフィーリングは全く違うんですが、どこか似ているダンパーの性格&特性&バランスという印象なのがすごく驚きました。
そのためコースインして即、全開でレーシングスピードな周回が可能でした。さすがアペックス!
とはいえ、それで終了!とはいかないのが足回り。全開走行をへて細かいところが気になりました。具体的には、
- 4コーナー立ち上がり時のトラクション不足
- ターイン時、リア内輪の接地面が薄い。クリップ後アンダー強い。
- 前荷重:大時はフロントの入りが良い。けど、前荷重:小はアンダー強い。
全体的に、中アンダー&内輪設置不足でアンダーオーバーが顔出している感じでした。(あくまで当日の状況でその領域の走行をしてのフィーリングです)
タイヤが結構使用した中古のため、タイヤのグリップレベルも考慮しながら、どこをどういじるかを考えていきます。
とりあえずN1ダンパーの性格はGR86と同じと確信。ダンパー本体の構造やオイルの問題か、開発陣が僕に寄り添ってくれたのか。ww
ここは後でアペックスに確認をしたいところですw
とりあえず1本走行を終えた時点で迷いはなくなりました。N1ダンパーは間違いなく良い!(オーダーメイド仕様は時として諸刃の剣で、大外しすることもよくある)
アペックス&APEXi N1 DAMPERの懐の深さが分かり、詰めの調整に入ります。
足回り各部のセットアップへ
純粋にダンパー本体をスイッチした段階で良い方向へ行ったのは確認できたので、今度はこのダンパーをより活かすべく、足回りをセットアップしていきます。(なお、タイヤは全て同一のシバタイヤR31 200R中古。温感2.0キロで統一)
1.リアのみ減衰変更
リア減衰4→2
馬の背ブレーキングで、右リアのみタイヤロック。踏力リリースしても白煙が出続ける。波状するレベルではありませんので許容範囲。2クリックでここまで変化はすばらしいですね!
現状はリアブレーキバランサーが1(強0:弱5)と最強から1個戻しの状態ですが、ブレーキバランスは変えずにダンパーでリアを動かす方向へ調整していきます。
2.リア側の減衰&車高調整
- リア減衰2→6(フロントは4のまま)
- リア車高2ターンダウン
タイム:1分28秒889(前回タイムを更新してラジアルベスト)
3.フロント車高調整
- フロント2ターン下げ(減衰は前後ともそのまま)
タイム:1分27秒9(ベスト更新)
ラジアルタイヤですが、この車両のSタイヤでのベストタイムまでも更新できてしまいました…。取り急ぎはタイヤも考慮した上での暫定セットは完了です!(持ち込みセットが大外ししてなくてほんと安心w)
今後はと言うと唯一、デフの主張がなく仕事量が少ないので交換や仕様変更をしたいという要望を監督に伝えましたw
で、次回はいよいよSタイヤを履いての走行を予定。天候次第ではありますが、ADVAN A050 へ変更し、走行&各種テストをするつもりでいます。気温も合間れば、秒単位で更新できる…はず!
イベント参戦時にターゲットにしたタイムは1分26秒9ですが、これはテスト段階で更新してしまいたいと言うのが本音です。果たしてw
余談:ダンパーおすすめ
いままでいくつもの銘柄・ブランドのダンパーを試してきました。
その中で言えるのは、ダブルウィッシュボーンの足回りとしては良いけど、ストラット式のサスペンションになるとあれれ?となるブランドや、根本的に減衰特性に疑問、ストロークのなさすぎ、減衰が立ち上がらないなどなど、色んなネガティブな部分を感じたりしてきました。
が、今のところはアペックスのN1ダンパーシリーズに関しては、僕らの経験では裏切られたことがありません。FD3S RX-7用は実は今回、初めての試みだったんですが、非常に好感触でした。というか良い。
このダンパーはぜひお客様でも体感をしていただきたいですね!さらに熟成を進め、以下の2本立てとしてリリースしていきたいと考えています。
- ノーマル然とした車両個体ベースに合わせたストリートSPEC
- ドライビングを成熟させて速さを追求できるサーキットSPEC(←わがままドライバーでは扱えないw)
あれをこうしたら的な構想もあるので、今後尽力していこうと考えています。と言うわけでAPEXi N1 DAMPER、本当にいいですよ~!
さ、次回のテストに向けてメンテや車両セットアップをよろしくお願いします、監督!!w
さらに余談:
現在作成中のデモカー86(ZN6)では、空力にも対応する「APEXi N1 DAMPER」を開発中です!