シバSを295幅へ!新コンパウンドのタイヤテストで再びSUGO

今回もシバタイヤのSタイヤテストです。というわけで最近ではいつもと化しているスポーツランドSUGOにきました。

タイヤテストに限ったことではないんですが、テストしてデータを取って比較を行う場合はなるべく同じ条件で確認をしたいものです。

特に、シバタイヤのSタイヤは冬の時期のタイムアタックを想定して作られているため、5月になった時期とは言っても、できるだけ寒いコースでより多くのデータや経験値を取得してより良きなタイヤ開発に繋げられればと考えています。(タイムが出れば正義というわけではなく、使い勝手や許容できるセットアップの広さも個人的には大切にしています)

前置き長くなってしまいましたがw

今年の2月からシバタイヤのSタイヤ開発に携わるようになりました。おそらくこの時期を逃すと僕たちがテストしてきた過去の条件は大きく変わってしまうため、これまでのSタイヤの比較を行う上ではそろそろ限界かな?とも感じています。まぁ、色々な条件が揃うならまたSUGOに来るかもしれませんけれどもw

ちなみに寒い時期のテスト条件的には10時以降や午後の走行でテストをしており、路面温度や外気温は4〜5月の朝イチくらいの条件を想定してテストしていました。筑波や菅生の走行は全てそうです。(最初の様子はこちら

というわけで、当日は朝一のスポーツ走行で今回のタイヤの見極めを行いたいと思います。

なお、走行当日(5/7)は翌日からのレースウィークのためピットが使用禁止ということでだいぶ焦りましたが。。。SUGOスタッフさんに事情を説明したところ、午前中に撤収であれば使用して良いとのことで、無事にいつものテスト環境下で準備ができました(ご対応ありがとうございました)。

で、こちらが今回履くシバタイヤのSタイヤ、R50のT10と呼ばれるコンパウンドです。

サイズに関してはこれまではずっと265/35R18でしたが、今回から295/30R18サイズにサイズアップします。

タイヤのコンパウンドのコンセプトとしては、これまでのものではなくてガラッと変えた?耐久性(ライフ)を度外視してグリップ感を追求した仕様とのこと。要するにタイムが出れば良い!というタイヤですが、タイヤ開発は必ずしも意図したタイヤにはなりませんからね、果たして・・・

とはいえ、サイズアップもしていますし、これまでのコンパウンドよりもグリップレベルが上がるなら、余裕で23秒台は出るんじゃない??という期待もありつつ走行に向けての準備を行います。(前回の走行はこちら

まぁ、いつも言っていますがタイムはもちろん比較対象ではあるのですが、まず一発目としては、タイヤの特性やグリップレベル、方向性や可能性等を重点的に確認をします。

車のセットは特に変更はなし。タイヤの温めや空気圧、計測周の設定なども前回同様(タイヤウォーマー:40度、内圧:1,9、アウトラップ+1周)です。では早速コースイン。

走りだし早々、ハンドルが軽くまったくグリップ感がない。汗

これは・・・と思いつつ、計測ルール(アウトラップ+1周)通りに計測入ります。

計測周に入る最終コーナー、ハンドルが引き続き軽く、まったくグリップがありません。そのまま、1-2コーナー間では「ひょ~」というタイヤの鳴きを確認。過去にラジアルタイヤでこんなお蔵入りになったモデルもあったなーと思いながら、グリップがないのでボトムを落とし気味に走行。

その後の4コーナーでは先行車両がいたため、安全を考慮して計測終了。クーリングしながら、一応ということで再度計測。そして再び計測周の最終コーナーではステアリングは軽いまま。クリッピングポイント付近では横方向に逃げてしまい、若干アンダーステア。相変わらず各クリップ付近などの舵角が多くなるあたりでは「ひょ~」っと鳴きながら、外へとずれていきます。馬の背立ち上がりではトラクションが横に逃げました。

タイム:1分25秒949

結果的にはT9より1.5秒遅く、ラジアルタイヤのR31 200Rよりも0.3秒遅いタイムでした。(T9もR31も265幅)

T10コンパウンド、撃沈!

期待していただけに残念ではありますが、タイヤ開発ではこういうこともあります。

当日のSUGOの条件等では合わなかった、ということもあり得るのでこれだけでは判断できませんが、あえて言わせてもらうとまったくグリップがない!という一言。

過去にテストしてきた同条件下で使用する中では、タイヤがまったく溶けていません。

このタイヤでレースやタイムを出してきなさい!ということであれば、このタイヤを活かすための条件を探したり、車両側のセッティング変更もありますが、それはタイヤテストから逸脱してしまうので、見極めとしてはここで終了です。

詳細につきましてはメーカーへ報告。より良いタイヤにするための一つの結果として、次回以降のアップデートに反映されていくでしょう!

ここら辺でシバタイヤのSタイヤは一旦休息…かな?分かりませんがw

ともあれ、APEXi N1 Sakamoto-ENG RX-7(マー号)はここのところずっとタイヤ開発に尽力してきたので、そろそろ全体的なメンテナンスをしようと思います。

サカモトエンジニアリング A’PEXi N1ダンパーは測定・全バラ&清掃、フロントハブ/ベアリング交換。

エンジンは分解と測定、消耗品交換、組み上げ。あとはデータ蓄積のためセンサーを追加。その他細々した修正などなど。

お客様車両もお待ちいただいている状況のため、平行で進められるかどうか?というところですが、なるべく万全の態勢で車両トラブルフリーで再びテストが出来るよう、準備を進めていこうと思います。

そして、僕は、いよいよ?タイムリミット?メインデモカーに全力集中!?ではでは、また引続きよろしくお願いしまーす!

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書いた人

サカモトエンジニアリングの代表です。
チューニングも走ることも好きで、週1はサーキットに行きたいと常に思っていますw