車は「トータルバランス」。
サーキットを速く走る上で、よく耳にする言葉だと思いますが、言うほどそのチューニング(調律という意味の方)は簡単ではありません。
もちろん、車両の持つポテンシャルを極限まで引き出す運転があってこそですが、バランスの取れた車両というのは、ワンクリック、数ミリの違いで挙動が大きく変わります。
逆に、バランスが取れていない車両では、多少の変更を加えても「何も変わらない」と感じることも少なくありません。または実際には変わっていても、それがドライバーに伝わらないケースも多々あります。
そして調整の中では、すべての要素を改善方向のプラスだけに振るのではなく、時としてマイナスやネガティブ要素が出るようなことに振るのも非常に重要だと考えています。
仮想世界のように制約がない中で無限に手を入れられて、ひたすらマイナス要素なくしてプラスにだけ変えていけるのであればまさに理想ですが、現実には調整幅であったり、パーツの選択肢や物理的に限られた条件が多数存在します。
そういった選択肢の中ではマイナスに振ることで全体を整えるという発想も大切になります。結局のところは車両やオーナーさんが目指す理想系に近づけるためにどうするかというのをトータルで考えてバランスをとることが重要だと考えています。
…という戯言でした(笑)
さてそんな中で現在、まさにTC2000での「分切り」を目前にしている車両があります。

かなり使い切ったタイヤ(シバタイヤ R31 200R 265/35R18)のまま、アライメント調整や各部修正を施し、その状態でベストタイムを更新。
1分切りまで、あと0.4秒です。
前回のアライメント時に指摘していたフロント周りをさらに仕様変更し、今回はタイヤの新調と、それに合わせたアライメントのご依頼をいただきました。
あわせて、車載動画の確認を行い、ターンインまでの操作に関しても修正ポイントをお伝えしています。

タイヤはシバタイヤの200R、サイズも変更なし。純粋にタイムだけを狙うのであれば、Sタイヤの使用といった選択肢もあります。それでも「同品のシバタイヤ(ラジアル)でいく」というオーナーの選択に、男気を感じます。
パワー系には手を入れず、あくまでドライビングとサスペンション、そして細かな部分の調整・セットアップで狙っていく。こちらとしても非常にワクワクするチャレンジです。

アライメントに関しては今回も「足し算」と「引き算」、そのバランスを見極めながら調整を行いました。
次回、良い報告が聞けることを楽しみにしています。ご依頼、ありがとうございました!





