ここ数日は暑さも和らぎ、秋の訪れを感じる季節となりました。作業もしやすい気温になり、ご依頼作業やデモカー作業も一気に進められそうです。
というわけで今回のブログでは、サーキット走行中にトラブルが発生した86(ZN6)のエンジン修理やFD3S RX-7のエンジン製作の進行状況、そしてデモカー86(ZN6)に搭載を予定したFA24エンジンのオーバーホールについて触れたいと思います!
まず最初は、サーキット走行中にエンジンから「パンパン」と異音が発生したというこちらの86(ZN6)の修理です。

FA20(前期型)では、この症状からある程度原因の見当がつく内容ですが、まずは試乗して異音を確認。多分ここだろうということで原因と思われる箇所を分解していくと、異常箇所を確認しました。
取り外した異常部品はこちらです。

直噴インジェクターのシールが1つ欠損していました。あるあるな事例ですね。この場合の修理内容としては、使用している4つのインジェクター全てのシール類を交換します。

86も比較的新しい車両という印象がありますが、既に発売から10年以上が経過し、10万キロを超える車両も増えてきました。大事に乗っていたとしてもこのようなトラブルは今後も増えてくるでしょうね…。
というわけで無事に修理は完了!現在は納車準備へと進めている状況です。後ほどご連絡させていただきます。ご依頼ありがとうございました!
次にオーバーホールのご依頼で進めている、FD3S RX-7のロータリーエンジン製作の状況です。

現在製作中のこちらのエンジンですが、計測などを行った結果、エキセントリックシャフトは再使用ができる状態だったので再使用し、ハウジング類やローター、シール類はすべて新品で組み込みました。そしてそこにATS製のカーボンプルツインクラッチを組み込み、エンジンが単体完成!
そして現在は補機類もほぼすべて分解や清掃、計測などを行い、必要に応じて交換やオーバーホールを行いながら作業を進めています。

その他、エンジンハーネスやターボキットの入荷が予定よりも遅れてはいますが、その間に進められる補機類の組み込みなどを行い、車両への搭載準備を進めていきます。
この週末にはオーナー様ご来店予定となっていますので、途中経過がご覧いただけると思います。こういった機会はそうそうありませんから、愛車の隅々までご覧いただいた方が良いでしょう!引続き、よろしくお願いします。
さて最後、デモカー86(ZN6)用のFA24エンジンのオーバーホールです。

このベースとなるエンジンは以前、シバGR86が富士スピードウェイ走行中にエンジンブローしたFA24エンジンです。FA24に関しては初めての分解という状況でしたが、エンジンブローの損傷確認や僕の勉強を兼ねて進めていました。
デモカー86(ZN6)用に搭載するエンジンの仕様としては様々な選択肢が浮上しています。FA20をベースにした2.1L仕様や2.2L仕様も良いでしょうし、FA20とFA24を合わせて云々…と色々と考えてはいますが、過給するにしても排気量があることのメリットは多いので、どうしようかなーと悶々としている状況です。

さらにいうと将来的に2.5L化を行うためのキットもすでに手配済みではありますが…
まずはこのエンジンの勉強やノウハウ蓄積も含めて、あれこれする前にノーマルエンジンとして元通りにしようということで純正状態へのオーバーホールを進めました。
その中で修理書をみるとそれに従うべきかどうか迷う場面もありました。
- コンロッドやコンロッドメタルに異常がなくても、エンジン始動後のコンロッドを取外した場合は再使用不可
- コンロッドメタルは単品供給がなく、コンロッドASSYでの購入が必要

まじか、どんな理由なのか深掘りしてみたい…とも思いましたし、検証してみたい気持ちもありましたが、今回は修理書通りに作業しました。エンジン単体としてはまもなく完成予定です。
というわけでどノーマルのFA24が1機ある状態ですが、デモカー86(ZN6)に積むのかどうかはまたの機会に考えようと思います。笑
さて、涼しくなってきましたので、ご依頼作業を中心としつつも、タイムアタックシーズンに向けてデモカーも諸々と進めて行きたいと思いますので、引続きよろしくお願いします!